妊娠と出産は、人によってさまざまです。基本を踏まえた上で、その方にあった施術を行います。
「つわり」や気持ち悪い、吐き気がする、だるい、気分が悪いような時には。鍼灸マッサージで後頭部 から中背部を中心に施術します。また、軽い腹痛なら自宅安静と施術でコントロールできます。ただし、数日以上吐いて何も食べられない場合や、強い腹痛と不正出血があれば、かかりつけの産科に行ってもらいます。「つわり」に鍼灸は良く効きます。でも無理は禁物です。
安定期に入りますが体の変化に伴って、肩こりや腰痛、疲れ易い、体がだるいなどの症状が現れがちです。これも鍼灸マッサージの施術で楽になります。
「逆子」を 検診で指摘される時期です。足の小指に小さなお灸をすえて治せます。もちろん胎児の動きや腹壁の緊張感を確認しながら施術します。その場で治る人から数日かけて動き出す人もいます。
胎児と子宮の大きさのバランスで29~31週が最適な時期です。
腰痛、足のむくみ、不眠、イライラ、体調不安が出やすいです。足のツボを控えた通常の施術に、お尻の指圧を加えます。これは妊婦さんにとっても好評です。足のむくみは、血圧に注意しながらリンパマッサージをします。
出産が近くなって陣痛が強まったら、横に寝てお尻を付き添いの家族に強く押してもらいましょう。いきみを逃がす呼吸法(ヒッヒッフー)のフーに合わせて押すと、陣痛が減ってお腹が緩むので、産道が十分に開くまで待つことが出来ます。その後の分娩も楽になります。
腹痛、血性の悪露、微熱などからくる体調不良や、乳汁分泌のトラブルがでる時期です。こうした症状にも鍼灸は効果があります。出産直後から施術は可能です。
初めての出産では、母乳が上手く出せず、諦めてしまう人がいます。実は乳管がうまく開いていないためで、乳房マッサージをすれば勢いよく出てきます。
育児のために、寝不足で疲れがピークに達する頃です。生真面目なお母さんほど育児ノイローゼにかかり易くなります。疲労を回復し不安と体調をよくする施術で乗り越えられます。
大きくなった子供のおんぶや、抱っこ、添い寝で、肩こり、腰痛、うでの痛みやしびれも出てきます。月経も人工乳で6ヶ月、母乳育児なら1年くらいで再開するので次子の妊娠もある頃です。
なかには、2年くらい生理が止まったままだとか、不順気味なら、鍼灸で治せます。月経周期を28日1サイクルとして3サイクルくらいの間で整います。