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こんな勉強をしました

玉川病院東洋医学内科とは

File0018世田谷区二子玉川にある玉川病院は当時国内では稀な東洋医学内科を設け、昭和51年から鍼灸師の卒後教育を行っていました。その内容は鍼灸師が自分で診断と判断が出来るレベルを目標にした高度なものでした。

二人の恩師

当時内科部長だった故代田文彦医師は、日本で初めて鍼麻酔を成功させた方で、医学常識を身につけた鍼灸師を世に送り出すために鍼灸師の医学教育に力を注がれていました。

また、本田徹先生は、海外青年協力隊としてチュニジアで医療活動をされ、佐久病院を経て鍼灸の勉強を目的に玉川病院に勤められていました。現在は国際保健協力市民の会の代表をされています。

研修内容

私たち研修生に求められた能力は次のようなものでした。

  1. 患者さんを総合的に診られるようになること
  2. 鍼灸で治せない疾患を鑑別できるようになること
  3. 適した治療法を選択して施せるようになること
  4. 患者さんに生活指導が出来るようになること

これを目標に研修が行われていました。

一年目は鍼灸外来の助手。就業後は毎晩内科と整形外科の勉強会。週2回は症例検討会。手術、病理解剖見学は随時許されていました。

二年目は代田、本田両先生の助手として内科を中心とした入院、外来、救急の現場研修。また、本田先生による内科疾患の講義。内視鏡、腹部エコー、胃透視などの見学をさせていただきました。

外科手術は、胆石、気胸、膝人工関節、白内障眼内レンズ、パイプカット、前立腺肥大、複雑骨折などなど、可能な限り見学しました。

また、医療人としての覚悟を養うために看取りもさせて頂きました。

三年目からは代田、本田両先生について内科の診察技術全般と、レントゲンやCT画像の見方や検査数値の読み方を実際の患者さんを通して教わりました。

四年目に入ると対外的な活動としての学会発表や、研究活動も担わされ、後輩の教育にも力を注ぐようになりました。

五年目は地域住民に対する東洋医学の啓蒙活動として講演会を企画し、代田先生と一緒に講師を務めました。

最後の半年間小児科、外科、整形外科、泌尿器科、皮膚科、眼科、耳鼻科の外来見学をさせてもらいながら鍼灸師でもできる各科の診察法習得に力を入れました。

一方家内は、産婦人科疾患の勉強で遠藤美咲先生のもとで、生理痛や無痛分娩の研究をお手伝いしていました。さらに、産婦人科の見学もさせていただき、二人で病院内のすべての科を隈なく見せて頂き、後のプライマリーケアー鍼灸院開業の準備を整えました。

研修レベル

鍼灸師が治療者としての責任を果たすには、何よりも診断力と医療的判断力を身につける必要があることを代田先生は痛感されていました。そのため、研修の力点は主に診断力の強化と医療の現状把握に置かれました

特 に2年目の病棟研修では入院患者さんを複数担当し、医師の行う診療行為と患者さんの経過を観察し、退院時にはその全容を報告する事を義務づけられて、医師 の思考過程と医療の効果をしっかり認識させられました。また、担当した患者さんの鍼灸治療を通して医療と鍼灸をどう組み合わせていけばよいのかを学ばせて 貰いました。

代田先生は私たち研修生に担当した患者さんの診断を自分でも推理するように求められました。そこで誤診を防ぐためには前医の診 断を鵜呑みにせず、自分で納得するまで原因を追求するように指導されました。また、検査数値を盲信せず、患者さんの訴えを良く聞き、身体を良く診ることを 強調されていました。こうした訓練のおかげで鍼灸師が医師の誤診を指摘する事がたびたび起こるレベルにまでなりました。

薬の勉強も必然的に させられました。大事な薬を止めるとどんなことが起こるのかも学ばせてもらいました。検査の精度や落とし穴も学ばせて貰いました。さらに全人的な医療をな さる代田、本田両先生の元には精神的な問題を抱える患者さんも多かったので精神科疾患についても勉強させられました。

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恩師の診療姿勢

代田先生の診療姿勢は肩の力を抜いた自然体で、患者さんにいらぬ気遣いをさせず、気持ちを軽くする診療でした。「クールな頭と熱いハートで診療に当たれ。患者さんのための鍼灸をやれ。事実を正確に見抜け。」と教えて下さいました。

一方本田先生は、病める人を救うため全身全霊で治療に当たられる仁術の固まりのような方でした。こうしたお二人の背中を見ながら医療者とは何かを学ばせてもらいました。

医療人として示された心得

代田先生は権威の危うさを知っておられたので、私たちに病院で行われていることの全てを包み隠し無く見せて下さいました。そして医療の現状を踏まえた上で患者さんを救うために鍼灸師としてなすべき事を教示され、以下のような心得を示されました。

  1. 幅広い医学知識を持つこと
  2. 常に研究心を持つこと
  3. 労力を惜しまないこと
  4. 人を待たせないこと
  5. 人の話を聞くこと
  6. 上からものを言わないこと

これらの事を常に意識しながら夫婦力を合わせて平成元年から鍼灸臨床に取り組んできました。その経験則をここで公開し多くの方の参考にして頂くことで恩師やご指導いただいた先生方に対する恩返しをしたいと思っております。

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