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こんな経験積みました

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今から30数年前、開業したばかりの私の元に、5分おきにてんかん発作を起こす脳腫瘍の人や、圧迫骨折を繰り返す重度の骨粗鬆症の人、転んで耳が半分ちぎれたパーキンソン病の人からの往診依頼があり驚いたものでした。

当時の人は救急車を呼ぶことに強い抵抗があったので、若い鍼灸師の私が都合良く呼ばれていたようでした。でも「白衣を着てるだけで米沢の人は何でも頼ってくる。鍼灸師と言えどもしっかりした医学知識がないと危なくて何も出来ない」と思い、治療院をたたんで東京の玉川病院で医学研修を受ける決意をし、その門を叩きました。

目指したものは

5年間の医療研修で一通りの医学知識と診断力、医学的判断力を身につけ、鍼灸臨床の適応と限界を理解して平成元年から米沢で再度開業しました。この時から私達が目指したものは総合診療ができる鍼灸院を創ることでした。

生活に密着し、どんな体調不良や相談事にも対応しながら頼られる存在になることです。同じ志を持つ家内と二人三脚でその理想を追い求め経験を積んできました。

問題の数々kirinQ2

私達の元に持ち込まれる問題を分類すると、医療、民間療法、情報の混乱、心理、生活習慣などに分かれます。中には気の抜けないものも含まれていました。

医療問題

医療問題の筆頭は医師の説明不足による困惑と不満です。医療行為に対する不信も根強く、背骨の手術、ブロック注射、痛み止めから逃れるために鍼灸に来る人も多くいました。

また、薬を飲み続けるのが嫌で来院する人もいます。中には医師に癌と宣告されるのを恐れて迷い込んでくる人もいます。難病も来ます。訴えが医師に聞き入れてもらえず頼ってくる人もいました。明らかな誤診、見落としもありました。

田舎における医師と患者の絶対的な力関係の差に患者さん達は潜在的な不満を抱えています。逆に短い診察時間で回している医師にとって、長々と患者の身の上話を聞きながら全人的な医療を実践するのは無理難題です。

結果として医療上必要な説明やコミュニケーションが医師と患者間で不十分なままなのです。敷居の低い鍼灸師にいろいろと聞いたり頼み事をするのは人情なのでしょう。

民間療法やサプリメント、健康器具

民間療法やサプリメント、健康器具について意見を求められることもよくあります。医師に尋ねても答えは決まっているので、もう少し柔軟な意見を聞きたいのでしょう。中には整体師の施術で悪化したのを心理的に引きずっている人や、民間療法士の妄言に捕らわれている人もいます。

情報の混乱

情報の混乱は深刻です。そもそも医師が患者さんを納得させていないために、患者さんは情報の不足分を様々な所から集めてきては返って混乱しています。

その情報収集先の筆頭はマスコミです。テレビは視聴率のために不安を煽る番組を作ってばかりいます。製薬会社のコマーシャルも、潜在患者の掘り起こしに躍起です。インターネット情報の提供者も、万が一を考えて慎重な意見しか書きません。だから、読む方は不安にしかなりません。

鍼灸や医療類似行為に関するホームページ情報も、コマーシャルベースのものが中心で、客観的な情報源にはなりません。も売上増加をもくろんでセンセーショナルなタイトルのオンパレードです。

本当に患者さんサイドに立って有益なアドバイスや情報を提供する人がいないのです。このため、患者さん達の持っている医療情報は混乱しています。

心理的な問題

心理的な問題はほぼ全ての患者さんが抱えており、その解決は治療効果に大きな影響をもたらすします。また、来院する方の中には性格や認知の歪みを抱えている人、自殺願望のある人、うつ病、双極性障害、不安神経症、認知症など精神疾患を抱える人もいます。

癌の告知を受け、精神的フォローが不十分な人もいます。社会的弱者(子供や知恵遅れ、障害者など)に対する医師の配慮不足が身体症状を悪化させているケースもあります。

精神心理的な問題の大半は、人としてまっとうな対応を受けることで落ち着くものです。不安や不信が高まって身体症状がこじれるには、それなりのいきさつが存在します。そこに医師の診療姿勢が大きく関与しているにも関わらず、これを患者側の問題としてくくってしまったのでは医療の名が廃ります。

生活習慣

生活習慣が症状の原因になっていることは多いものです。それを見つけ出し介入する医療機関は希です。私が力を入れてきた分野なので、沢山のケースを経験してきました。人は思いもよらぬ事をしているものです。

その他

病医院で治らない痛みの患者さんが沢山来院されます。中にはモルヒネが効かなかったものや、何年も原因が分からなかった痛みもあります。育児困難になっているお母さんも来ます。子供が発達障害のときもあります。産院や保健婦さんの対応で解消していない乳腺炎もやって来ます。

患者さんの家庭の事情を深く理解した上で総合診療に当たる家庭医が昔より減った結果、私のような鍼灸師にこうした問題が持ち込まれているようです。驚かれると思いますがこれが実情です。

三点アプローチで問題解決

病院での医療研修のお陰で、持ち込まれる問題に驚かなくはなったものの、解決まで持って行くにはさらなる勉強と経験が必要でした。二人で試行錯誤を繰り返しながら当院独自の「心と身体と生活習慣の三点アプローチ」ができあがり、さらに「難しい問題を解決するコツ」も会得してきました。

30年経って

まじめに頑張ってきたおかげで日々の診療はスムーズに行えるようになり、医療機関からの信頼もそれなりに得られるようになってきました。総合診療鍼灸院のフレームは出来たと思っています。次は鍼灸治療の精度を高めることで、地域医療の一翼を担う鍼灸院に成れるのではないかと夢見ています。

「ここの鍼灸院があることで私は安心です。」と患者さんから言っていただけることが何よりの励みです。息子を一人前の鍼灸師に育てて当院の取り組みを地域に根付かせ、鍼灸院のモデルケースになるように頑張りたいと思っています。


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