産気づかない時の治療

30代 女性 初産

一ヶ月前から産休に入り、いつ生れても大丈夫!の状態で予定日を迎えての妊産婦検診でしたが、出産の徴候が無く、このままだと人工陣痛誘発か帝王切開もありうるということで来院されました。(この方は妊娠中にもちょくちょく治療されていたので、安産の鍼もあることは知っておられました)
一周間後の検診までにお産に進めて自然分娩が出来ることを目標に治療を始めました。


まず、週前半は産道の状態を出産に向けて改善する治療を、後半は子宮の収縮を誘発してお産に近づける治療をしました。といっても、お腹をどうこうする訳ではありません。鍼灸では内くるぶしや足先に良く効くツボがあるのです。

この方には分娩のことや、赤ちゃんにあげる母乳のことなどおしゃべりしながら治療を進め、お腹が硬くこわばるなど順々に起こってくる身体の変化をいっしょに確認していきました。

鍼灸は、母体と胎児に備わった分娩の自然な変化を誘い出すきっかけになるのです。そしてお母さんが自分の身体の変化を感じ、それが順調なお産の進み方であると理解できてこそ安定した効果を発現できます。

さてこの方は、検診日の前日にはおしるしがあり、お腹の張りが規則的になっていたことでお産の進行が確認され、検診日にそのまま入院ということになりました。夕方から本格的な陣痛となり日付が変わったころ分娩室へ入り、四十分程で2.900グラムの女児を出産されました。初産で以上の経過から判断すれば安産と言えます。

赤ちゃんのお誕生本当におめでとうございました。鍼灸師は直接出産に立会う訳ではありませんが、出産まで、お母さんの産む気持ちと、産む身体の準備をお手伝いさせて頂きます。