妊婦さんのお尻の痛み

30代 女性 妊娠7ヶ月

階段の上り下りが多い仕事をしている。1ヶ月前から左のおしりが痛くなり、2~3日前から急に痛みが強まった。産休まではあと1ヶ月ある。病院を受診したが湿布を処方されただけで効果はない。階段の上り下りと、しゃがんで立ち上がるときが痛い。鍼で何とかならないだろうかと来院されました。
問い合わせの電話を受けたときに、かなり興奮されてるのが受け取れました。日に日に痛みは増し、頼りの医者は役に立たず、仕事は休むわけにもいかず、産休まであと1ヶ月もある。どうしよう!とパニックになるのも無理からぬ状態でした。

妊婦の腰下肢痛はよくある症状ですが、痛み止めが使えないために子供が生まれるまで我慢するしかないと考える人は多いものです。しかし、鍼灸はこういうときも役に立ちます。

この方の場合は、大臀筋と梨状筋(りじょうきん)の使いすぎによる痛みとわかり、傷んだ筋肉に鍼を刺し、数日仕事を休めばちゃんと痛みは取れると説得し、遠方だったので、負担の少ない寝方や自宅施灸のしかたも指導して帰しました。

3日後来院したときは痛みが4割減っており、4日間の休みをもらったとおっしゃってました。休みを取れたことで気持ちの落ち着きを取り戻していました。この日の鍼治療と4日間の安静で仕事に復帰し、3日間仕事したら痛みが少し戻ったと言って3回目の治療に来院し、その後も休まず仕事を続け、さらに1週間後4回目の治療時にはおしりの痛みはほぼ無くなり、右ふくらはぎがつれやすいことを訴えるぐらいになりました。産休まであと1週間というところまでこぎ着けたので、治療を終了としました。